日々雑感

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ロボットスーツHALを使ったリハビリ

1月末から、医療用ロボットスーツHALを使用したリハビリを実施している。

リハビリといっても筋力をつけるわけではなく、歩き方の感覚を思い出すことが目的だ。長い間、装具と杖に頼った歩き方を続けており、正常な歩き方を忘れてしまっている。HALを用いて足の筋肉のサポートを受けることで、装具なし・杖なしで歩行訓練を行い、歩く感覚を脳に思い出させるわけだ。

HALはサイバーダイン社のロボットスーツで、筋肉を動かす際の電位を検知してその動きをサポートするように動作する。今回利用するのは医療用のもので、結構大がかりだ。

まず、膝・腿・尻にかけて、十数個のセンサーを貼り付ける。センサーからケーブルが伸びるので、両サイドが開く専用のジャージを着用する。

次に、大きな歩行器(電動で上下する)に立った姿勢でぶら下げられ、その状態でHALの上に降ろして装着する。胸・腰・足とハーネスで固定した上で、靴状になった先端部に足を差し込んで固定する。さらにアームの長さや角度などを調整して、ようやく装着完了だ。

で、いよいよ歩行。と言っても、歩行器にぶら下がった状態で引っぱってもらいながら、足を地面につけて歩くもので、自立して歩行するわけではない。リハビリ室をぐるっと回って30mぐらいが1セット。休憩を入れながら、5~6セット行う。実際に歩いてみると、左足がしっかり上がって歩ける。久しぶりの不思議な感覚だ。時々、思ったよりも大きく動いたり、逆に思うように動かなかったりすることもあるが、概ね、いい感じに歩ける。何より、左足がきっちり上がるのがうれしい。また、歩くときに「ウィーン」と動作音がしてサイボーグ気分が味わえるのも楽しい。

歩行中の電位やサポートの強さなどのデータはタブレット上でグラフで確認できるようになっている。まあ、自分が見ても、右より左が強いなあ、とかざっくりなことしか分からないが。こうやってデータを蓄積していくことも重要なのだろう。

訓練の前後には、装具と杖で10m程度を歩行し、時間と歩数を計測する。HALの利用で改善されたかどうかを見るわけだ。訓練後は脳が歩き方を思い出したのか、確かに歩きやすく感じるのが不思議だ。しかし、しばらく歩くとやはり疲れてしまい、歩き方も元に戻ってしまう。筋力を回復させているわけではないので仕方がない。

ただ、普段歩くときに、HALによるリハビリで思い出した感覚をイメージしながら歩けるようになったのは大きな効果だった。今回のリハビリはひと月だけの予定なので、その間にしっかり歩くイメージを定着させたい。何より、HALで歩くのはかなり楽しい。